ここでは、ビジネス支援サービス(BPOサービス)の必要性や課題について、主に経済産業省商務情報政策局が公開している資料をもとに解説・考察しています。
米国をはじめとした世界水準に比べ、日本でのビジネス支援サービスの利用は低い水準にあります。一方で、実際にビジネス支援サービスを利用した日本企業の多くは、企業規模の大小にかかわらず、そのサービスに対して高い満足度を示しています。
長引く不況と人材不足が深刻化している日本において、今後ますますのビジネス支援サービスの拡大が期待されます。
ビジネス支援サービスを利用する主な目的は、自社の生産性向上や高付加価値化にあります。
経済産業省商務情報政策局が公表している資料(※)によると、実際にビジネス支援サービスを利用した事業者の多くが、生産性や付加価値の向上を実現。ほかにも業務効率化や経営資源のコア業務への集中、コスト削減など、多くの事業者でさまざまな効果を実感しているとの報告がなされています。
参考までに、同資料で掲載されているアンケート調査の結果について、「期待通り」「期待以上」との回答を得られた項目の比率をご紹介しましょう。
※経済産業省商務情報政策局|ビジネス支援サービスの活用(平成26年3月) https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/service_koufukakachi/pdf/004_04_00.pdf
ビジネス支援サービスを「利用する側」ではなく「提供する側」から見た場合、その市場はこれから大きく拡大していく可能性を秘めています。
世界的に見ると、アウトソーシングを含むビジネス支援サービスの市場成長性は年間約5.1%で、比率は右肩上がり。ちなみに北米では年間5.3%で、こちらも比率は右肩上がり。これに対して日本は年間約3.0%で、比率は横ばいです。
世界市場におけるビジネス支援サービスの市場拡大に注目すれば、そのサービスの有用性は明らかであり、今後も成長していくことが予測されます。世界市場での成長を追う形とはなりますが、今後は日本でもビジネス支援サービスの成長が促されていくことでしょう。
市場拡大に応じビジネス支援サービスを利用する企業が増えれば、そのサービスを利用しなければ他社との差別化を図ることが困難になるかもしれません。結果、ビジネス支援サービスの必要性がますます加速していくことでしょう。
今後、日本市場でも拡大が期待されるビジネス支援サービスですが、現状としてはまだまだ課題があることを否めません。日本市場におけるビジネス支援サービスの主な課題について、以下4点を確認します。
経済産業省商務情報政策局が公表した資料に掲載されているアンケート調査によると、米国に比べ、日本ではビジネス支援サービスに対する意識が低いことが分かります。
特に「経営資源へのコア業務への集中」「業務拡大への柔軟な対応」という項目では、米国に比べて圧倒的に低い数値です。米国企業に比べ、
同じく米国との比較では、日本企業は、ビジネス支援サービスのメリットやコストなどの基本的な認識が不足しています。認識不足の背景には、ビジネス支援サービスそのものに関する情報不足があるようです。
また、仮にビジネス支援サービスを導入したとしても、それまで当該業務に従事していた人材に対し、どのような処遇をもって対応すれば良いか分からないという日本企業らしい問題もあるようです。
すでに日本でも大企業の間では広く利用されているビジネス支援サービスですが、企業規模が小さくなるに従い、ビジネス支援サービスを利用する企業の比率が低くなっていることが分かります。
なお上述のアンケート調査によると、ビジネス支援サービスに対する中小企業における満足度は、大企業に比べて遜色ない高い水準にあります。企業規模の大小にかかわらず、ビジネス支援サービスは有効に機能していることが分かります。
BPO業者の大手中小企業38社(※)を調査し(2023年9月時点)。そのなかで、大手BPO企業、中小BPO企業、ITの運用・保守に対応しているBPO企業でそれぞれおすすめの1社を紹介します。
【大手BPO企業の定義】
BPO業界の売上高ランキング(※1)や日本流通産業新聞の2018年度コールセンター売上高ランキング(※2)に入る企業をこのサイトでは「大手BPO企業」と定義します。
※1参照元:業界動向(https://gyokai-search.com/4-bpo-uriage.html)
※2参照元:日本流通産業新聞(2019年10月31日発売号)「2018年度 コールセンター売上高ランキング」
【中小BPO企業の定義】
上記の売上高ランキングの圏外で、「BPOサービス」とGoogle検索して表示されるBPOの企業をこのサイトでは「中小BPO企業」と定義します。
※引用元:ジャストファイン(https://www.justfine.co.jp/bpo/)
引用元:アルティウスリンク(https://www.services.altius-link.com/)
引用元:トランスコスモス(https://www.trans-cosmos.co.jp/)
※.参照元:トランスコスモス(https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/210625_0002.html)
アルティウスリンクの選出条件
2021-2022年のBPO業界の売上高ランキング(※1)に入る企業(※2)のうち、拠点数が最も多く、かつ、BPOセンターの従業員数が最も多かったため。
※1参照元:業界動向(https://gyokai-search.com/4-bpo-uriage.html)
※2注釈:ランキング内にいる「KDDIエボルバ」と「りらいあコミュニケーションズ」は経営統合し、アルティウスリンク株式会社が発足。
ジャストファインの選出条件
2023年9月27日時点で「BPO センター」とGoogle検索して5ページ以内に公式HPが表示される企業の内、
唯一、1席あたりの金額が記述されており、さらに「スモールスタート可能」であることが記述があり、対応スピードも最速だったため。。
トランス・コスモスの選出条件
2021-2022年のBPO業界の売上高ランキング(※1)に入る企業で「ITの運用・保守」に対応しているBPO企業のうち、
公式サイトに掲載されているDXやIT関連の導入実例が最も豊富だったため。