「BPO」とは「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の略であり、業務を外部に委託する外注(アウトソーシング)の一種として位置付けられています。例えば自社ではノウハウを持っていない業務やノンコア業務などを外部に継続的に委託することをBPOサービスとなります。
ここで、「BPOとアウトソーシングはどう違うのか」という点が気になる方もいるかもしれません。BPOサービスの特徴として挙げられるのが、「関連するプロセスを継続的に外部に委託するとともに、プロセスの効率化を図る」という点。以上から、単一の業務を外部に委託する場合にはBPOとは呼ばれないということになります。
具体的なBPOの事例として企業のマーケティングを考えてみると、「SNSの運用」や「ブログの記事作成」に加えて、SNSやブログなどを運用した結果の効果測定といったようなマーケティング活動をアウトソースするようなケースを思い浮かべれば、BPOについてイメージがしやすいのではないでしょうか。
上記に対して、アウトソースは単一業務を外部委託すること、また一時的に業務を外部に委託するということを指すケースが一般的となっています。
BPOを活用する場面としてはどのような業務が対象となってくるのでしょうか。ここでは、企業がBPOにより委託できる業務についてご紹介していきます。
企業が成長するためには優秀な人材が必要になります。このような場面でBPOサービスの活用により人材の採用から育成といった業務の委託が可能となります。書類選考や面接、採用を代行するだけではなく、研修に関する管理や研修を担当する講師の選定などについても委託できます。
経理をBPOに任せることによって、経理業務に精通したスタッフにより小口生産や売掛金管理など、さまざまな経理業務を任せられるでしょう。また、企業では細々とした総務業務も発生します。備品の管理や社員の出張時の手配など、細かい総務業務についても外部に委託可能となります。
受付を設置している企業では、顧客対応を行う受付業務を外部委託しているケースもあるでしょう。受付業務をBPOに任せた場合には、会社を訪れてきたお客さまの対応はもちろん、電話の取りつぎといった業務まで一貫して対応してもらえます。
会社の中でそれほど重要度が高くはない事務作業についてもBPOに任せるといった選択肢もあるでしょう。会社での事務作業は意外と多いものです。例えば会社宛の荷物や郵便物などの受け取り、仕分けなど単純ではあるものの手間がかかるような作業の委託により、企業の生産性を上げられるでしょう。
コールセンターを持つ企業の場合には、BPOを利用するといったケースもあります。この場合のメリットとしては、外部委託によりシステムや人材といった経営資源を用意する必要がない、といった点が挙げられます。
コールセンターでは入電対応はもちろんですが、対応内容の記録や管理、報告といった部分まで一貫して対応してもらえます。
現在はさまざまなBPO業者がありますが、自社が必要とするシステムについて開発の代行を請け負ってくれるところもあります。例えばデータベースやシステムの設計や開発を委託することにより、システムの導入を進められます。
企業では収集したデータをその後の企業活動に活かしたい、と考えることも多いでしょう。このような場合、集めたデータをまとめたり分析するなどさまざまな処理が必要となりますが、このようなデータ処理サービスを提供しているBPO業者もあります。
企業のマーケティング活動を外部委託する、というケースもあるでしょう。例えば自社で提供している商品やサービスを多くの人に知ってもらい、購入してもらうには、マーケティングが重要になってきます。この部分を外部に委託することによって顧客管理や情報の発信やレスポンスの分析などが行えるため、販売促進に取り組めるでしょう。
BPOサービスの活用事例として、大手製薬メーカーでは臨床データ管理業務のグローバル標準化に取り組むにあたってBPOの活用を行っています。業務を委託したパートナーはこの分野において実績があったことから、世界各地に分散していた業務を集約が可能に。このことにより、データの収集やデータ報告業務を効率的に行えるようになったという成果を上げています。
BPOサービスをより有効に活用するためには、主に下記のような点を押さえておくことがポイントとなってきます。
BPOサービスを提供している業者は、特定の分野について高いスキルや豊富なノウハウを持っています。だからといってBPOサービスを導入する場合にはすべてBPOサービス業者任せにするのではなく、委託する側の企業もしっかりと体制を整えておく、という点も重要になってきます。すなわち、委託企業とBPO業者双方の協力が必要になります。
そのためにも、上記で挙げたように社内の問題や課題を明確にしたり、業務を曖昧なまま丸投げするのではなくしっかりとどのような業務を委託するのかの検討が大切になってきます。また、BPOの導入を行うだけで満足するのではなく、改善すべきポイントはないかといった部分を常に意識することによって、より有効にBPOサービスを利用できるといえるでしょう。
「BPO」では、業務プロセスの設計から実施することが大きなポイントとなっており、既存の枠組みを超えた見直しを行える、という点が大きな特徴といえます。
時には単に「外注」として捉えられるケースもありますが、実際にBPOを導入することによって業務を幅広く見渡せるようになります。このことによって高い品質で業務処理を行えるようになるとともに、コア業務に集中できるといったメリットも考えられます。さらに人件費などの面でコストダウンが実現できるといったケースもあるなど経営にインパクトを与える場合もあるため、BPOは「経営戦略」として考えることもできます。
BPO業者の大手中小企業38社(※)を調査し(2023年9月時点)。そのなかで、大手BPO企業、中小BPO企業、ITの運用・保守に対応しているBPO企業でそれぞれおすすめの1社を紹介します。
【大手BPO企業の定義】
BPO業界の売上高ランキング(※1)や日本流通産業新聞の2018年度コールセンター売上高ランキング(※2)に入る企業をこのサイトでは「大手BPO企業」と定義します。
※1参照元:業界動向(https://gyokai-search.com/4-bpo-uriage.html)
※2参照元:日本流通産業新聞(2019年10月31日発売号)「2018年度 コールセンター売上高ランキング」
【中小BPO企業の定義】
上記の売上高ランキングの圏外で、「BPOサービス」とGoogle検索して表示されるBPOの企業をこのサイトでは「中小BPO企業」と定義します。
※引用元:ジャストファイン(https://www.justfine.co.jp/bpo/)
引用元:アルティウスリンク(https://www.services.altius-link.com/)
引用元:トランスコスモス(https://www.trans-cosmos.co.jp/)
※.参照元:トランスコスモス(https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/210625_0002.html)
アルティウスリンクの選出条件
2021-2022年のBPO業界の売上高ランキング(※1)に入る企業(※2)のうち、拠点数が最も多く、かつ、BPOセンターの従業員数が最も多かったため。
※1参照元:業界動向(https://gyokai-search.com/4-bpo-uriage.html)
※2注釈:ランキング内にいる「KDDIエボルバ」と「りらいあコミュニケーションズ」は経営統合し、アルティウスリンク株式会社が発足。
ジャストファインの選出条件
2023年9月27日時点で「BPO センター」とGoogle検索して5ページ以内に公式HPが表示される企業の内、
唯一、1席あたりの金額が記述されており、さらに「スモールスタート可能」であることが記述があり、対応スピードも最速だったため。。
トランス・コスモスの選出条件
2021-2022年のBPO業界の売上高ランキング(※1)に入る企業で「ITの運用・保守」に対応しているBPO企業のうち、
公式サイトに掲載されているDXやIT関連の導入実例が最も豊富だったため。